柄沢山 2018.3.17



東京で桜の開花が宣言されたこの日、上越国境の柄沢山へやってきた。

上越の桜は蕾。

まだ桜より吹雪に近い気候である。

この朝も小雪がちらついていた。

6:26、国道291号線除雪最終地点を出発。

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は~るよ来いっ
は~やく来いっ


歩き始めたネタちゃん。

履いているのはじょじょではない。

赤いスキー板だ。

山スキーに来たのである。

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スノーブリッジが崩落
春は近づいてます!




柄沢川沿いに進んだ。

古代中国の五行思想によれば「春=青」。

しかし山も空も白い。

もう春なので空は青くあって欲しいところだ。

しかしボヤいても仕方ない。

「曇りのほうがスキーは滑りやすいし…」

そう前向きに考え、沢筋を進んだ。

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五行思想によれば白は秋のはず




7:35、大きな堰堤を通過。

ここで沢を離れ、南側の尾根に取り付いた。

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ブナ林の急登となった。

い空とうららかなを期待する寝太郎。

進め青春!
飛び出せ青春!

青春学園シリーズのタイトルで我が身を鼓舞し、急登を進んだ。

しかし、スピードは上がらなかった。

いくら「青春だ!」と体にムチを打っても所詮老体なのである。

そもそも「青春学園シリーズ」とか言ってることがジジイだ。

いま「青春学園」と言えば「テニスの王子様」。

手にストックのオジサマ寝太郎にとっては、「青学=青山学院」だし「テニプリ=にぎりっ屁」だ。

あー、まじオヤジ…

話がそれたが、オヤジの寝太郎は急登に苦戦した。

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<正答↓>
青学=せいがく=青春学園
テニプリ=テニスの王子様




尾根よ来いっ 早く来いっ

途中からは手にストックのオジサマでもなくなった。

シールでは滑って登れなくなったのだ。

そして板を担ぐ力もない。

赤いスキー板を手に持ち、四つん這いになってしまった。

おんもじゃなくて尾根に出たいと泣きながら、這い這いで進んだ。

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8:56、尾根に出た。

急傾斜は終わったので、またシールで歩き始めた。

ようやくみっともないハイハイ姿が終了した。

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歩きはじめたネタちゃんは~
赤いスキーのブーツ履いて~




尾根を進むうち、晴れ間が出てきた。

待ちに待った青(=春)だ!

頂上方向の展望も開けた!

Oh!Spring has come!

気分のほうがハイハイになった。

まさにSpringと、飛び跳ねたいくらいだ。

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しかし、飛び跳ねるのは自重した。

雪庇が落ちて雪崩た跡が、眼下に見えたからだ。

地元じゃ負け知らずの寝太郎(by青春アミーゴ)だが、あんな雪崩に呑まれたら即死である。

雪庇から少し離れたところを進んだ。

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また急傾斜となった。

シールでは滑り落ちそうな感じだ。

どうしよう。

1.板を担いで登る。
2.シールで登り続ける。
3.四つん這いで登る。

1は体力、2は技術力、3は胆力を要する選択である。

ちょっと迷ったが、寝太郎は3を選択した。

体力も技術もないが、恥を知らない胆力は豊富なのである。

それに前後とも無人っぽい。

そういう訳で再びハイハイで進んだ。

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青春時代の真ん中は~
誰も迷っているばかり~




ハイハイで進む寝太郎。

その姿が神の眼には五体投地で巡礼する敬虔な男と映ったのかもしれない。

すっかり雲はなくなり、神々しい山並みが姿を現した。

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とうとう神々しい頂上も姿を現した。

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しかし気になるのは、至るところにある雪の裂け目である。

全層雪崩に巻き込まれたらタダではすまない。

地元では負け知らずの寝太郎だが、今はアウェイで一人きりなのだ。



SI 俺は麓から この山に憧れて 
進じて 行きてきた~ 
なぜだろう~ 思い出した景色は~ 
旅立つ日の綺麗な空~ 抱きしめて~ 

ハイハイなので、手にしてるのは板だ。

しかし寝太郎はアミーゴのスキー板を抱きしめてる気分で、綺麗な空の下を進んだ。

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この尾根を進じて行きて来ました




青春アミーゴなんて、ちょっと若ぶってしまった。

寝太郎世代の青春の名曲と言えば「青春の影」である。

君の心へ続く~
長い一本道は~
いつも僕を勇気づけた~
とてもとても険しく
細い道だったけれど~
今~君を迎えに行こう~


実は険しい部分は「青春の影」を唄い乗り切ってきた。

しかし、頂上寸前で君の心に続く長い一本道が途切れてしまった。

仕方なくヤブを踏みつけて進んだ。

もしチューリップが生えてたらゴメンね。

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柄沢山は登山道のないヤブ山です。




11:43、柄沢山到着。

青春パワーのおかげだろう、無事に登れた。

特にアミーゴ達のおかげだ。

1.踏み抜きを防いでくれた修二と彰。
2.バランスと推進力を担った杖二郎。
3.目を癒してくれた万太郎(山)。

どうも有難う。

お荷物野郎が一名いたが、寛大な寝太郎は不問に付すこととした。

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お昼ごはんで大休止。

メニューはあの「アオハルかよ」のCMの即席めんだ。

風に背を向けると、正面には美しい燧岳、至仏山、武尊山の山並みが広がっていた。

美味しいランチが食べられるはずだった。

しかし強風に煽られ、湯を注ぐ前にカップをひっくり返してしまった。

具と調味料の殆どが、飛んで行ってしまった。

「OH!風と共に去りぬ!」

そう叫んだが、覆盆に返らずだ。

まともな味の即席めんは作れなくなった。

しかし、空カーレットお腹は耐えられない。

アメリカンな極薄味ヌードルだと思い込み完食した。

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12:47、下山開始。

登って来た西尾根ではなく北尾根に向かった。

北尾根を降りたところから柄沢川に滑りこむのが、ネット情報ではおすすめだったからだ。

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少し下ると登ってくる人がいた。

コースの情報を尋ねると、谷間は滝の雪が崩落しているという。

地元では負け知らずだが、ここのジモティではない寝太郎(関西人)。

尾根コースを滑ることにした。

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↑貴重な情報をくださったアミーゴ
ムーチョ グラシアス(by西語)
ムッチャ オオキニ!(by関西語)




青い空と春の雪。

青春です。

やっぱり寝太郎も青春だ!

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いやいや。

青春を山に賭けた植村直巳氏なら、冒険して谷斜面を滑ることだろう。

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危険を冒す人こそ冒険家!




白秋時代の寝太郎は堅実に尾根を滑るのであった。

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しかし、陽の当たる尾根の雪は重かった。

尾根幅のショートターンで白秋の寝太郎の太腿は疲労困憊した。

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いや、疲労困憊している場合ではない。

GUTSを出して谷間へ滑り込んだ。

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13:58、下山完了。

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スタート時は粉雪も舞う寒さだったので、気分は「春よ来い」だった。

それがなぜか途中から「青春!」って気分になってしまった。

春の雪山シーズンはあと1か月くらい。

嵐のGUTSのノリで楽しみつくそうと思う。

VIVA青春咲き誇れ~
全てを変えられるさ~
12の3でさぁ走り出せ~
やりたいように突き進め~


そんな所存なので、これからの週末、嵐は勘弁くださいね。


この記事へのコメント

風来坊
2018年03月22日 15:12
寝太郎さん、こんにちは。
まだまだ雪深いですね。
写真を見て、尾根の雪の割れ目が一番気になりました。
雪崩の源頭部とでも言うところでしょうか・・・。
あんなところから勢いよく雪崩が起こったら、助かりませんね。
安全に尾根を楽しんで下さいませ。
2018年03月23日 00:00
風来坊さま、こんばんは。
九州ではホソバナコバイモなど林床の妖精たちの季節のようですが、上越はユキワリソウもユキノシタな状況です。なだれて斜面が顔を出すと、妖精たちの季節ですが、まだしばらくかかりそうです。
安全祈願有難うございます。冒険家ではないので、危うきには近寄らないようにします。君子でもないんですけどね。

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