英彦山 2015.11.1



英彦山へやってきた。

小石原から峰入り道という修験の古道を辿って登る計画だ。

ロングコースである。

雌鶏のように早起きして、英彦山の鬼杉登山口へきた。

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鬼杉登山口から小石原まで自転車で移動した。

一旦下り、標高差250mほどを登り返す道だ。

けっこうなアップダウンである。

こま鼠のように自転車をシャカシャカこいだ。

そして行者堂下の登山口まで移動した。

8:06、行者堂下の登山口出発。

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自転車でひと汗かいた。

行者堂に香水池という水場の祠があった。

オアシスに辿りついたゾウのように水分補給した。

そして峰入り道に入った。

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9:00、陣尾という名の小ピークを通過。

陣尾の先の開けた尾根から英彦山が見えた。

けっこう遠くに見える。

鷹や燕のように飛んでいきたいところだ。

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翼のない寝太郎は、地道に歩くしかない。

尾根筋に続く峰入り道を進んだ。

尾根は右に左に複雑にうねっている。

しかし、大量の赤テープが貼ってある。

仔羊ですら迷えない道であった。

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ここまで杉林のハイキングコースを歩いてきた。

ようやく修験道らしい岩場が現れた。

カモシカ気分で岩場を進んだ。

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林道に出た。

ここから大日ケ岳への登り道となった。

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ロープが設置された急登であった。

輓馬ように力強く登ろうと思ったが、とても無理だった。

お馬の親子のペースでポックリポックリ歩いた。



10:31、大日ケ岳到着。

標識によれば釈迦ケ岳まで1.3km。

両山の標高はほぼ同じである。

鞍部までの下りが小さければ、登り返しも少ないという訳だ。

鞍部のくびれが少ないことを祈りつつ下り始めた。

スリムな馬の背でありますように…

間違ってもフタコブラクダのような尾根道ではありませんように…

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願いは打ち砕かれた。

激しい下り道だった。

哀しいくらい一気に下る。

売られていく子牛くらいの哀しさだ。

しかし、進むしかない。

どんどん下って鞍部に着いた。

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紅葉したカエデの向こうに釈迦岳がそびえていた。

お釈迦様の右手のように立ちはだかって見えた。



11:23、釈迦ケ岳到着。

展望のきくピークたったので、英彦山へのルートが見渡せた。

まだまだ長い。

しかし、釈迦ケ岳への急登でかなり疲れた。

お釈迦様の掌を飛び回った猿のようにへとへとだ。

英彦山にたどり着けるだろうか。

キントウンがないと無理な気がしてきた。

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釈迦岳から岳滅鬼山への道は、カバの背中のようにゆったりとした道だった。

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深倉越まで下ったところでお昼を食べた。

ここから登る先は岳滅鬼山。

恐ろしい名前の山である。

名前に怖じ気づき、せめてお弁当分だけでも軽量化を図りろうという算段だ。

しかし、重みがザックから胃へ移動するだけで、総重量は変わらない。

使えないサル知恵のような気もしたが、軽量化に励んだ。

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昼食後すぐに出発。

岳滅鬼の山名に気味悪さを感じつつ進んだ。

しかし、特に何もなかった。

鬼なんて出てくる訳がない。

お伴のイヌ、サル、キジもいなかったが問題なかった。

問題は寝太郎の脚力だ。

我がモモ太郎は、鬼杉からの自転車移動で一仕事してしまったようだ。

太モモが上がらなくなってきた。

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13:28、岳滅鬼山到着。

山岳ぼす鬼はいなかった。

そこにいたのは疲れた登山者だけだった。

目の下にクマを宿した寝太郎である。

あー、疲れた。

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岳滅鬼山の先にあった露岩から、この先のルートが一望できた。

ゴールの英彦山も見えた。

ずいぶん遠くに…

あんな所まで、もう歩けない。

次のピークの”猫の丸尾”すら無理だ。

コタツで丸くなる猫に変身し、露岩の上で一寝入りすることにした。

ギブアップだ。

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14:35、岳滅鬼峠到着。

ここから大南林道に下り、鬼杉登山口の車に戻ることにした。

生まれた川を目指す鮭のように車に向かった。

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15:00、岳滅鬼岳登山口到着。

しとしとと雨が降ってきた。

少し急ぎ足になり、林道を右折した。

越冬地へ向かう鶴のように、安らぎを求めて車へ向かった。

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右折は間違いであった。

しばらく歩くと行き止まりになった。

右往左往し、さらに2度行き止まりにぶつかった。

真っすぐに帰巣する伝書バトのつもりだったが、実態は迷路の実験マウスであった。

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15:43、なんとか大南林道に到着。

雨のなか、車に向かって歩いた。

濡れ鼠になるほどの雨ではない。

静かな雨のなかの下山であった。

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16:15、鬼杉登山口到着。

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今日一日、鹿の鳴き声を何度も聞いた。

英彦山に登れなかったこと。

曇りから雨に転じた天気。

そして先日、知人の親族が山で亡くなったこと。

そんな寝太郎の心象もあって、寂しげな鳴き声に聴こえた。

 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
 声きく時ぞ 秋は悲しき

本来の歌意とは違う気もするが、この歌がしっくり来る晩秋の山行だった。


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この記事へのコメント

ポンちゃん
2015年11月06日 21:28
寝太郎さん、こんばんは
辛いことがあったのですねえ。
御悔み申し上げます。
追悼の意味でも峰入り道はふさわしかったのかもしれませんが、自転車での頑張りが早く足に来たのは間違いないですね。寝太郎さんが歩くだけなら楽々と思っていましたが…
切石峠からの登り返しはきつかったですね。思い出すだけで息が上がります。
それでもわれわれよりも1時間以上早いタイムはさすがです。
2015年11月06日 22:08
ポンちゃん様、こんばんは。
ご指摘のとおり、追悼に相応しいかなという思いと、紅葉がピークかなという狙いで、御教示頂いたこのコースに挑みました。
リタイアしましたが、静かなこの山で、悲しい出来事のこと等をじっくり考えることができました。ありがとうございました。
次からは従来の調子に戻れそうです。
けいこたん
2015年11月06日 23:04
こんばんは。
お辛いことがあったのですね。
心よりお察し申し上げます。
それなのに前回馬鹿なコメントをしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
どうか失礼をお許しください。

寝太郎さんが歩かれたコース(自転車も)を辿ってみようと地図を広げたら、地図のあっちとこっちに分断されていてー、
それでも一生懸命地図とブログとを見比べました。等高線も見ました。
言葉がみつからないのにコメントしています。お疲れさまでした。
2015年11月07日 15:36
けいこたん様、こんにちは。
前回のコメントについて、特に失礼と感じてはいませんので、お気になさらないでください。繰り返しになりますが、登山したら家にちゃんと帰らないといけません。おっしゃる通りです。
お互い楽しく安全に登山を続けましょう。
2015年11月12日 22:28
最近ちょっと緩んだところがあったので肝に銘じておきます。寝太郎さんの言葉だからこそ重みを感じました。
2015年11月13日 21:59
ひとり山歩き倶楽部様、こんばんは。
コメント有難うございます。お返事を書いては消し、書いては消しているうちに、1時間経ってしまいました。
恐縮したい気分と、理解を求めたい気分が、ちょうど半々で、なんとも言葉にならず申し訳ありません。
とにかく今後は楽しいことを書いていこうと思いますので、よろしくお願いします。

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